アントワープ・ファッション展

初台の東京オペラシティアートギャラリーへ。アントワープ王立美術アカデミーのファッション科で教育を受け、80年代後半にそれぞれの個性を開花させたデザイナーたちの作品を中心にした展示。新世代のアーティスト、さらにアカデミー卒業直後、または在学中の学生たちの作品も取り入れて、人口50万人のフランドルの都市が生み出すモードの輪郭を浮き彫りにしようとする意欲的な企画である。
金曜土曜のみ開館時間午後8時までということで、ゆっくり6時50分頃に到着すると、受付の方が「あと10分すると半額になります。ミュージアムショップが後ろにありますので、そちらに行ってらしてはどうですか」と勧めてくださる。……親切だ。
三部構成で各部屋にドレスが展示され、加えてDVDが放映されるコリドールというシンプルな構成。ファッションは完全な素人なので印象しか書けないのだが、第1部の学生作品が、教育課程上個性を強く求められているせいか、それぞれ尖った感じを出しているのに対し、第2部、第3部の現役デザイナーたちのドレスは、主に黒やベージュを基調として、どれも落ち着いた雰囲気をたたえていた。
自分としては、アントワープという地域性とファッションの間にどのような関係があるのか、考えてみたかったのだが、正直言って作品を一通り見ても、また後で買った「装苑」今年5月号の特集「アントワープはなぜモードを生むのか?」を読んでみても、よくわからなかった。まあこのあたりは将来の課題ということで。