2009-01-01から1年間の記事一覧

冬はここでも鍋料理が人気

チーズフォンデュと言えばスイスの名物料理としてよく知られているけれど、同じフォンデュでも中国風というのは聞いたことがなかった。どうやら「火鍋」と言われているもののスイス版らしく、日本のガイドブックでも以下のように書かれているから、ご存知の…

看護師の待遇向上に一歩

入院すると必ず何かとお世話になる看護師の方々。一定程度の専門性が要求される職種であるが、深夜や日祝日を含めた不規則な勤務を強いられるせいか、日本ではよく志望者不足が取りざたされる。どうやらフランスも基本的な図式は同じらしく、このたび待遇改…

シャルロット・ゲンズブールの新境地

失礼ながら、セルジュ・ゲンズブールとジェーン・バーキンの間に生まれた娘の芸能活動というと、これまでどうしても「親の十四(四十九?)光」という影がつきまとっているように思われてならなかった。そんなシャルロット・ゲンズブールも御年38歳。12月6日…

保健庁長官、19年目の勇退

民間企業や各種法人ならいざ知らず、日本で高級官僚の1ポスト当たりの任期と言えば、せいぜい数年が上限だろう。所変わればなんとやら、スイスでは同一ポストに19年も勤めた連邦保健庁長官、トーマス・ツェルトナー氏が、この年末をもっていよいよその職を離…

オーケストラの給料事情

「クリスティアン・ツァハリアス指揮、ローザンヌ室内管弦楽団」と言えば、ジュネーブに本拠を置くスイス・ロマンド管弦楽団とともに、フランス語圏スイスの二大オーケストラ。2000年にツァハリアス氏が芸術監督に就任して以降、広く実力が評価されるように…

若者はよく本を読む、とはいうけれど

「子ども・若者が本を読まない」という言説に対する評価は難しい。ある種の常套句に過ぎないと言ってしまうこともできそうだし、昨今のメディア事情を考えれば、本離れが起きるのは当然とも考えられる。教育的な見地からは、確かに子どもたちの読書習慣は薄…

「説明する、釈明はしない」

スイスの国民投票におけるミナレット(イスラム寺院の尖塔)新設禁止措置案の可決については、日本の新聞でもそれなりに取り上げられているし、極めて根が深く、今後の影響も大きいと思われるテーマをここで掘り下げる余裕もない。ただ、12月5日付『トリビュ…

労働相のとある1日

「誰々さんの1日」という新聞・雑誌記事の類型がある。有名無名を問わず、ある人の人物像を生き生きと伝えたいときに、典型的と思われる日の出来事やエピソードなどを読み物風に記す、洋の東西を問わない記事パターン。今回は11月9日付『ル・パリジャン』紙…

ユーロ2016の招致進む、ただ先立つものが

2016年のオリンピック開催地はブラジルのリオ・デ・ジャネイロということでめでたく(?)決まったわけだが、同年に開催されるサッカー欧州選手権(ユーロ2016)の開催国決定は来年3月。サッカーに限ればヨーロッパではオリンピックより位置づけが高いとも言…

フランスからみた「観光都市」ブリュッセルの魅力

海外を自由旅行したい日本の若者が持参するガイドブックとしては、「地球の歩き方」が圧倒的と言えるだろうが、当然のことながら諸外国にも類例はある(アメリカが元祖なのではないかと推測するが、調べてないので不明)。フランス版「地球の歩き方」は「ル…

ゆううつな秋をいかに過ごすか

スポーツ、行楽、食欲……、さわやかなイメージが強い日本と違って、南部を除くヨーロッパ地域では、秋は憂鬱な季節と捉えられることが一般的だ。どんよりとした天気が続き、気温は急に下がってくる。日が短くなるのも速く、夏時間が終了することも相まって特…

年々増加する企業への苦情、対応はいかに

とかく現代のサービス産業で避けて通れないのがクレーム。「クレーマー」という単語が日本語として定着したのはそれほど昔ではないと思うが、大きく言えば「産業社会」から「消費社会」への転換の故か(ちょっと誇大)、市民が企業に文句をつけることに躊躇…

市民の景気意識はいまだ悲観的

最近はフランスをはじめ、ヨーロッパ全体で経済の回復が進んでいると言われる。企業を中心とする景況感が、金融危機以前の水準近くまで改善している(『日本経済新聞』2009年10月19日夕刊)し、株価指数であるCAC40が上昇傾向にあるなど、好調な動きを示…

レストランちょっといい話

10月7日付の『ル・ソワール』紙が、あるレストランについてコラムのような記事を載せている。ベルギーのレストランが、スローフード的なコンセプトでニューヨークに開店し、成功するまでの物語だ(Rouge Tomate. Le Soir, 2009.10.7, p.2.)。 レストランの…

ロレックス社の新工場建設は不況下の一縷の希望?

どうも当方とは縁がなさそうなのが残念だが(!)、スイスの高級時計の代名詞と言えばまずロレックス。10月1日付の『ヴァンキャトルール』紙は、そのロレックス社が不況のさなか、新工場の建設に踏み切ったと報じている(Rolex affirme dans la pierre sa co…

ローザンヌ駅操車場用地を州立美術館に

鉄道関係の敷地は、時代の変遷によって大規模に余剰スペースを生じ、都市再開発の対象になることが多い。文化施設に変貌するケースも見られ、例えばパリで元のオルセー駅を美術館にしたのがオルセー美術館。ベルリンでもハンブルク駅を転用して現代美術館に…

ルーズな親たちに学校が困惑

かつて学校は工場と並んで、民衆に時間の意識、時間を守るという近代的な規律を埋め込んでいくための装置であるとされていた(例えば桜井哲夫『「近代」の意味−制度としての学校・工場』参照)。しかしポストモダンと称される現在では、そんな能書きも今は昔…

『図書館であそぼう』

あくまでも印象なのだが、バブルがはじけ経済の停滞感が広がった1990年代以降、図書館の利用者は目に見えて増え、また図書館それ自体もそれまでと比べ、俄然世間の注目を集めるようになったように感じられる。そしてこれと並行して、図書館について書かれた…

美術史が中学修了試験の科目になるってどういうこと

日本で「美術史」の授業と言えば、大学の教養課程、あるいは文学部の専門科目などを連想するだろう。ところが9月17日付の『ラ・クロワ』紙は、美術史が中学高校の一科目になるばかりか、中学修了証書授与試験の必須受験科目になるという話題を伝えている(Le…

トマト祭りで知る生物多様性

ロワール川沿いの城と言えば人気の観光スポットとして数々知られているところだが、今回登場する「ブールデシエール城」は、日本のガイドブックに掲載されるほど有名ではないようだ。15世紀に成立したルネサンス様式の城ながら、18世紀に大部分が破壊され、1…

特集「パリのお菓子」

大型連休初日。遠出の予定はなく、雑誌を買い込んでぱらぱらめくっている。 『フィガロジャポン』10月5日号の特集は「パリのお菓子」。誌面は予想に反して、意匠に凝ったパティシエたちの創作ケーキではなく、日頃から口にするような素朴な菓子(ブリオッシ…

新型インフル、宗教界はどう対処するか

フランスでも1週当たり10万人以上の新規感染者が確認されるなど、新型インフルエンザは既に相当な流行を示している。こうしたなかでカトリックを始めとして、多くの信徒が集まって儀式を行うなど対人接触の機会が多い各宗教界では、それぞれの対策を開始して…

創立75周年、宝くじの期間限定企画

ご存知の方が多いかと思うが、宝くじといえば日本ではジャンボの類の指定番号くじが主流なのに対して、ヨーロッパ諸国においてはむしろ、日本のロト6のような番号選択式くじが普及している。フランスやベルギーも同様。8月28日付けの『ル・ソワール』紙は、…

大丈夫か「あたしはニュースキャスター」

1つの国が4つの言語圏から成り立っているスイス連邦。そのことがどのように市民に受け止められているか、日本に住む自分にはなかなか測り難いものがあるが、推測するに、他の言語圏と協調していこうとする気持ちとともに、「よそではどうなっているのか」と…

特集「パリの花が大好き」

角川マガジンズ発行『花時間』2009年9月号は、約70ページに綴じ込み地図も加えたパリの大特集。フルリストの仕事と日常、注目の花店など50のおすすめスポット紹介、日本からの花留学生の活躍ぶりなど、様々な内容の記事のどのページにも、多彩な色合いのフラ…

人気ドラマのカップルがほんとに電撃結婚

1999年から2003年まで、公共テレビ放送フランス2で放映されて人気を博したミニドラマがあった。題して「彼氏と彼女」(Un gars Une fille を直訳すると「男の子女の子」だがそれじゃ郷ひろみ)。 月曜から金曜まで、20時のメインニュースの直前に10分間放送…

夏!アイスのトレンドは健康志向・エコ志向

バカンスの季節になると、フランスの新聞では「夏休み特集」といった読み物風の記事が多くなる。要するに記者も休暇を取るので、日々のニュース以外の記事を書きためておくらしい。夏は政治経済の動きが少なくなるし、読者もそれほど不満には思わないだろう…

聴取率めぐってラジオ局は悲喜こもごも

どこかで読んだのだが(出典忘れた)、フランスでは日本に比べて、ラジオ放送の一般的なプレゼンスが高いと言われる。聴取率は相対的に高いし、政界の大物がニュースショーにゲスト出演することなども稀ではない。さらにミッテラン政権下の自由化政策の結果…

苦戦強いられる郵便事業

日本では郵政民営化の見直しをめぐる議論が活発になってきているが、公的サービスとしての郵政のあり方については、ほぼ世界中で問題になっていると言えるだろう。とりわけ、自由化が決定的に進みつつある小包などと異なり、ユニバーサル・サービスの確保と…

前途多難?選挙区割りの見直し

総選挙近しの憶測が昨年から流れ続けている日本では、結果として選挙に対する関心はかつてなく高まっていると言えるだろうが、選挙制度上(特に小選挙区制の場合)特に注目され、ときに政治問題と化すのが選挙区の区割り。フランスはある意味この件が日本よ…