創立75周年、宝くじの期間限定企画

ご存知の方が多いかと思うが、宝くじといえば日本ではジャンボの類の指定番号くじが主流なのに対して、ヨーロッパ諸国においてはむしろ、日本のロト6のような番号選択式くじが普及している。フランスやベルギーも同様。8月28日付けの『ル・ソワール』紙は、ベルギーの「国民宝くじ」(ロットリー)の近況について報じている(75 euros par jour ou 1 million cash. Le Soir, 2009.8.28, p.9.)。
記事によれば、ベルギーの宝くじは今年で創立75年。1934年に、経済不況に由来する財政赤字を少しでも解消するために、当時のベルギー領植民地であるコンゴの振興を名目として発行され、10月18日に初めての抽選会が開催されている。
この創設75周年を祝うということで、この夏から秋にかけて、期間限定の記念くじ2種が発売されることになった。1つは「ウィン・フォア・ライフ75」という名前で、8月17日から11月14日までの販売。1枚4ユーロ、60万枚のスクラッチ型くじを発行し、まずは50人が第1次当選者となる。さらにこの50人に対し抽選会を実施して、幸運な1名には、なんと一生涯、毎日75ユーロが支払われる仕組み。残りの49名は懸賞金2,500ユーロの1回払いとなる。この「年金型」とも言えるくじのスタイルは相当ユニークではないだろうか?もっとも、当選者の年齢などによって明らかに総額が異なることになるから、反対の向きもあるかもしれないが。
もう1種類のくじは、「ゴールデン・チケット」と名づけられている(どっちのくじも英語名。ベルギーはフランス語とオランダ語が共に使われるから、こういう時は中を取って英語ということになるのか)。こちらは日本風の指定番号制のくじで、1枚8ユーロ(高いな)、000000から999999までの100万枚発売予定。ただし番号は購入時に機械指定されるため、好きな番号を買うといったことはできないらしい。こちらは8月31日から10月17日まで販売し、翌18日、つまり第1回のベルギー宝くじ抽選会の日からちょうど75年目の日の抽選の結果、1等(2名)には100万ユーロの懸賞金が当たる。その他合計5,000人が、250ユーロから2万5,000ユーロまでの賞金をもらえるそうだ。まあ、こちらは日本でごく見慣れたくじの方式と言えそう。
洋の東西を問わず射幸心には尽きないものがあるようだから、うまい盛り上げ方さえあれば、宝くじを買う人は絶えないだろう。上で書いた限定企画は、そのようなショーアップ効果をどの程度あげることになるのだろうか。

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フランス語の国際テレビ放送TV5MONDEが、今日から番組編成を変更。これまでアジア地域は全て同一時間の放送だったため、時差の関係で、本来ゴールデンタイムに放送される番組が日本では深夜にずれ込むことがあった。今回、日本など向けの時間帯の放送が新設され、映画やバラエティが夜7時から11時頃までに集中して放送されるようになるらしい。まあ基本的にはいいことだと思うし、楽しみにしているが、一番見たい人気ドラマ Plus belle la vie は、午後7時半から午後5時に時間変更になり、いっそう見るのが難しくなった感じ。イギリスの Eastenders みたいに、日曜午後にまとめて再放送とかしてくれたらいいんだけど、無理だろうなあ。