2009-01-01から1年間の記事一覧

税の引き下げでランチもディナーもちょっとお安く

日本の消費税について、今のように一律ではなく、生活必需品とそれ以外で税率を変えてはどうかという議論が提起されることがある。フランスを初めとするヨーロッパ諸国では、付加価値税の基本的な税率が高い(フランスの場合19.6%)こともあって、食料品など…

水の事故、安全講習の効果は出るか

東京では夏の体育の授業は水泳と決まっているが、北海道にいくと気候の関係で、スキーやスケートは頻繁に習っても、水泳の授業は比較的少ないらしい。同じことは山国スイスにも言えるようで、6月24日付けの『トリビューン・ドゥ・ジュネーブ』紙は、子どもが…

アズナヴールは引越好き

前から取り上げたいと思っていたセレブネタ。ハリウッドのスターほどではないが、フランス語圏でも有名人の生活ぶりに注目が集まるのは同じこと。6月24日付けの『トリビューン・ドゥ・ジュネーブ』紙(ジュネーブ地域の一般紙で、決してゴシップペーパーでは…

列車の運転士、大募集中!

列車の運転士は幼き頃の憧れ。なわとびを丸く結んで「電車ごっこ」をした記憶は遠く、今では車窓から過ぎ去る風景を眺めるのを楽しみにするぐらい。ところが、無料新聞の代表格、『メトロ』紙パリ版の6月17日付けで、鉄道運転士の大規模なリクルートが行われ…

『パリ医学散歩』

岩田誠『パリ医学散歩』(岩波書店、1991)読了。神経内科医として日本の先端を行く(本書刊行当時は東京大学医学部助教授、その後東京女子医科大学医学部長等を歴任)岩田氏が、1500年ほどにも及ぶフランス医学発展の歴史を、留学先であるパリの街並みのな…

域内留学制度、20年の成果と課題

6月6日の日記で名前を挙げた女優セシル・ドゥ・フランスは、セドリック・クラピッシュ監督の「スパニッシュ・アパートメント」(2002)で一躍名前を知られるようになったが、この映画は、EU諸国の交換留学制度である「エラスムス・プログラム」を素材とし…

花粉症は今が真っ盛り

数十年の花粉症歴を誇る(?)当方だが、4月半ばか少なくともゴールデンウィークに入る頃には、症状が一段落するのが通例。ところが、ベルギーの新聞では6月に入ってから、花粉症の記事が紙面を飾っている。6月3日付の『ラ・キャピタル』紙から、事情を詳し…

「モンテーニュ通りのカフェ」

飯田橋のギンレイホールで、ダニエル・トンプソン監督「モンテーニュ通りのカフェ」を見る。全206席が満席で、通路に座る客も出るほど。これだけ人気のある映画館を見習って、新作ばかりのシネコンだけでなく、名画座がもっと増えてくれたらと願うところ。 …

欧州議会選挙報道をめぐる各国事情

今週4日から7日にかけて投開票が実施される欧州議会選挙について、日本での報道はかなり寂しい。目にした限りでは、5月29日付けの『毎日新聞』がまとまった記事を載せている程度。しかし、実のところそれも無理はない。EUを構成する各国ですら、選挙への関…

峠道の「安全策」は総スカン?

高速道路を走っていると、様々な表示や舗装状態の変化などで、安全確保のための細かな工夫がされていることに気づく。知恵を絞って多様な方策を編みだしている専門家の方々の苦労は相当なものだろう。ところがスイスでは、せっかく導入した安全策が期待され…

ブリュッセルの再開発に既存商店街が反発

ブリュッセルを訪ねるときは、歩行者専用道路になっている中心部の商店街、ヌーヴ通りに立ち寄るのが常だった。主な目的地はショッピングセンター「シティ2」。お馴染みのチェーン書店フナックのベルギー国内最大(ただし確証なし)店舗が展開していて、フ…

パリ外周道路上のトラム工事は前途多難

90年代、パリ旅行の際にふと思い立って、市域の外周を一回りするバスに乗ったことがある。観光地ばかりでないパリをバスの中から眺め、街の大きさを体験してみたいといった漠然とした理由だったが、乗り通したら数時間かかり、最後には少し腰が痛くなった。…

ルーヴル美術館展 美の宮殿の子どもたち

急にミュージアムづいたわけでもないが、国立新美術館に出かける。月曜日の10時半という時間で、列もなく入場はラクラク。入口に消毒用アルコールが置いてあるので、儀礼的に手に吹き付ける。会場内はさすがに人出もかなりあって、どの作品の前にも観覧客が…

夏の果物は豊作予想、価格は?

みずみずしいフルーツは季節の彩り。ヨーロッパでも事情は同じで(ただし日本より全般に大柄、大ぶり)、街中の八百屋やスーパーには、各々の時節の果物が山と積まれている。もちろん、農作物の出来は自然の諸要素に左右されるわけだが、『ル・パリジャン』…

アントワープ・ファッション展

初台の東京オペラシティアートギャラリーへ。アントワープ王立美術アカデミーのファッション科で教育を受け、80年代後半にそれぞれの個性を開花させたデザイナーたちの作品を中心にした展示。新世代のアーティスト、さらにアカデミー卒業直後、または在学中…

世界経済危機の試練に立つ「ダッチ・モデル」

米国発の経済危機の影響は言うまでもなく世界全体に及んでいるが、影響の程度は国ごと、地域ごとに異なっている。その中で、通商国家として知られるオランダは、世界経済危機による打撃が相対的に大きい国の一つなのではないか。4月28日付けのフランスのカト…

泥酔するティーンエイジャーたち

やや大衆紙の傾向のある『ル・キャピタル』紙らしく、センセーショナルなタイトルが踊っている。「若者の4人に1人は既に酔っ払い」。言うまでもなくベルギーでも未成年者(18才未満)の飲酒は禁じられているが、現実はそんなことにお構いなく、深刻な状況を…

銀行の採用計画は意外に安定

米国のサブプライムローン問題に端を発する世界的な経済危機は、現在のところ、もう一段の景気悪化を警戒しつつ、危機脱出への方途を探る時期に入ってきていると言えよう。焦点の一つはもちろん雇用問題であり、企業の今後の採用計画は雇用動向を占う重要な…

郵便局網に大ナタの危機

ネットの普及に代表されるコミュニケーション環境の変化、全般的な経済自由化の波などに影響されて、郵便や郵便局をめぐる状況は、世界中で大きな変動にさらされている。スイスは公社制度(ラ・ポスト)を維持しているが、民営化を進める日本と背景事情がそ…

ケータイは青少年に有害、か??

一見、洋の東西を問わない話のようで、少し中身にふれると実態の違いに驚かされるということはしばしばあるもの。4月4、5日付けの『ル・フィガロ』紙の記事を読み、携帯電話をめぐる議論もその一つなのかと考えさせられた(Le portable n'en finit pas de di…

自然保護のための土地収用を農民が批判

北海沿岸のオランダ国境近く、クノッケ−ヘイストというベルギーの町を訪ねたことがある。そもそもの目的は、ズヴィンという自然保護地区でバードウォッチングをすることだったような気がするが、砂丘地帯を歩きまわっているうちに道に迷ってしまい、よろよろ…

大人も「おやつの時間」を楽しもう

学校から帰ってきて「おやつある?」子どもにとって午後のお楽しみは洋の東西を問わないようだ。3月22日付けの『ジュルナル・デュ・ディマンシュ』紙は、幼少時のささやかな思い出のなかにあるおやつを、大人も取り戻そうというフランス国内のムーブメントを…

花を買う男たちの肖像

ヨーロッパの人々は生活に花を取り入れるのが上手い。日照が短く寒さも厳しい時期が長い地域では、それだけ住まいを花の彩りで美しく整えることに愛着が生まれるのか。冬にヨーロッパを旅すると、街並の色合いがくすんでいる分、花屋の店先がひときわ鮮やか…

ドトールのルーツはパリにあった

喫茶店やカフェは自分の好きな場所だから、これからも頻繁に取り上げることになるとは思うが、今日はなぜか日本のチェーン店の話。 『日本経済新聞』の名物コラム「私の履歴書」、2月はドトールコーヒー名誉会長の鳥羽博道氏が登場していたが、その2月17日付…

ブルターニュ拡大運動は成就するか

フランス西部のブルターニュ地方は、フランス国内にあってブルトン語という独自の言語やそれに基づく文化を保つ地域として知られる。篠沢秀夫『フランス三昧』(中公新書、2002)によれば、ケルト人がローマに征服された後、ローマ発の文化やラテン語を導入…

ラジオ国際放送のリストラ計画

有線放送でラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI、フランスの国際放送)を聞き出してから10年以上たつ。今でこそネット上で様々な局のストリーミング放送が聞き放題だが、当時は生のフランス語を24時間聞くことができる唯一の手段。フランス語がほ…

ブリュッセルの市電・バスは今日もノロノロ運転

公共交通機関は効率的な都市生活を成り立たせるための基本的なインフラ。だが世界的に見ても、中心市街地でJRのような鉄道や地下鉄が充実している大都市はそれほど多くはない。日本では東京や大阪ぐらい、ヨーロッパのフランス語圏ではパリが唯一そのよう…

レマン湖遊覧船の寄港地紛争

湖を行く遊覧船と言えば、洋の東西を問わず、それ自体が観光資源であるとともに、沿岸の観光地を結ぶ重要な足でもある。ましてスイス南西部のレマン湖となると、世界に誇る山岳地帯を眺めながらのクルーズはこたえられない。ところがそんな遊覧船でも、地元…

「PARIS」

渋谷のル・シネマで、ようやくセドリック・クラピッシュ監督「PARIS」を見る。公開からだいぶ経っているが、観客の入りはなかなか良くて、興業は安定しているようだ。 クラピッシュお得意の群像劇。パリを舞台に、様々な年代、人種・民族、社会的境遇の…

銘水ペリエの強気なマーケティング

前にも書いたがミネラルウォーター、それもガス入りの水を飲むのが好きだ。ヨーロッパを旅行中、食事の際アルコールを飲まないときは大抵ガス入りの水(炭酸水)を頼んでいた。そんなミネラルウォーターの代表的銘柄であるペリエについて、1月12日付けの『ル…