EU

自動車市場は相変わらず停滞

自動車生産の実績と言えば一種の景気バロメーターにもなっており、それこそリーマン・ショック直後は世界的に著しい低迷を示したことで知られる。それから約5年、フランスをはじめとするヨーロッパの現状はどうなっているのか。6月19日付の『ル・モンド』別…

若年層の雇用対策にもう一歩踏み出せるか

欧州の雇用問題の深刻ぶりについてはあまりに周知のところではあるけれど、近年は特に若年者の職をめぐる惨状がものすごい。債務・経済危機に見舞われた南欧諸国を中心に、目を覆いたくなるようなデータが現実のものとなっている。いかにしてこれを少しでも…

不正木材取引の防止のための施策実施

国内に相当量の森林資源を有していながら、木材需要の約80%を輸入に頼っている日本。輸入元は多岐にわたるが、東南アジアの一部の国では日本が第一位の輸出先になっており、その分それらの国の森林に日本が与えている影響は少なくない。近年、木材の国際取引…

ユンケル・ユーロ圏財務相会合議長の「長かった8年間」

単一通貨ユーロの制度運営を協議するユーロ圏財務相会合(17か国で構成)の議長を長年務めてきたジャン−クロード・ユンケル氏が、1月21日付でその職を退いた。ルクセンブルクの首相兼財務相であり、ただでさえ多忙な日々の彼にとって議長在任期間、とりわけ…

欧州委職員の給与引き上げ、容認できるか

欧・米・日が、不況や経済危機の深刻度を相互に競うような厳しい昨今。そうなると一様に公的セクターに厳しい目が向けられるようになるのは自明だが、ヨーロッパの場合、EUという国家を超える公共部門が既にかなり大きなプレゼンスを持っており、これに対す…

欧州経済危機の分析本、続々刊行

米リーマン・ショックとそれに続く金融危機の衝撃が充分収まらないままに、ギリシャ問題を発端とするユーロ危機に直面している世界、とりわけヨーロッパ。こうした状況は財政等を通じて人々の生活にも大きな影響を及ぼしており、失業の増加、あるいは増税な…

債務危機でも銀行資本増強への眼差しは冷たく

御承知のように、欧州債務危機に対するEU等の包括戦略の策定は、この数日の間に一つの(何度目かの)山場を迎えた。今後、10月26日のユーロ圏首脳会議において一連の方策を最終合意し、11月上旬に開かれるG20首脳会議でこれを表明することが予定されている。…

ますます登用されるファン−ロンパウ大統領の「秘訣」

8月16日、フランスのサルコジ大統領とドイツのメルケル首相が会談、加盟国の財政安定化等を目的として「ユーロ経済政府」を設立し、その議長として欧州理事会議長(EU大統領)であるヘルマン・ファン−ロンパウ氏を想定するとの方針を提案したことは、世界的…

欧州委員会委員の休日と夏休み

22歳でサヴォワ県議会議員、27歳で国民議会議員に就任。ドゴール派の有力政治家として環境相(1993〜95年)、外相(2004〜05年)等を歴任し、現在は域内市場・サービス担当欧州委員会委員の要職にあるミシェル・バルニエ氏、60歳。多忙な日々を送る彼だが、…

格安キャリア、運行混乱に言い訳

最近になって日本でもいよいよ本格参入の動きが出ている格安航空会社。ヨーロッパでは1990年代に実施されたEUの航空自由化を背景として多くの企業が運航を開始し、現在では既存キャリアと熾烈な競争を展開するなど、大企業にのし上がりつつある会社も見られ…

未来を拓く老化メカニズム研究

日本ほどではないにせよ、軒並み人口の高齢化が進むヨーロッパ諸国。2030年時点での65歳以上の人口の割合は、ドイツとイタリアを筆頭格に、ほとんどの国で20%台に達することが予測されている。そこで、医学や生理学の観点から注目されているのが老化のメカ…

ギリシャだけじゃない南欧諸国の経済不安

新聞で日々報じられていることのおさらいみたいな部分が多いかもしれないが、今日はEU経済危機の最近の動向について。日本ではもっぱらギリシャ一国が最近の危機の元凶のような報道が多いように見えるけれど、2月25日付『ヴァン・ミニュート』紙は、問題は…

域内留学制度、20年の成果と課題

6月6日の日記で名前を挙げた女優セシル・ドゥ・フランスは、セドリック・クラピッシュ監督の「スパニッシュ・アパートメント」(2002)で一躍名前を知られるようになったが、この映画は、EU諸国の交換留学制度である「エラスムス・プログラム」を素材とし…

欧州議会選挙報道をめぐる各国事情

今週4日から7日にかけて投開票が実施される欧州議会選挙について、日本での報道はかなり寂しい。目にした限りでは、5月29日付けの『毎日新聞』がまとまった記事を載せている程度。しかし、実のところそれも無理はない。EUを構成する各国ですら、選挙への関…