エナン、怪我からの復帰近し

ベルギー女子テニス界の二大トップ選手の一人であり、世界で最も知られているベルギー人の代表とも言えるジュスティーヌ・エナン。そのエナンがウィンブルドンで肘を痛め、コートを離れてから3カ月以上が経った。前にも引退と復帰の経験がある彼女、今回はどうなる?10月5日付の『ラヴニール』紙(ブラバン・ワロン版)はエナンへのインタビューを試み、再復帰への展望を聞き出している(Justine: ≪J’ai eu peur que tous s’arrête≫. L’avenir Brabant Wallon, 2010.10.5, p.13.)。
エナンは記者に対して、「(怪我をしてからの)最初の数週間は、特に精神的につらかった」とはっきり語る。全英オープンの準々決勝、同じベルギーのキム・クライシュテルスとの対戦で右肘の靭帯を損傷。直後の医師の診断は、彼女の選手生命という点で決して楽観的なものではなかった。28歳という年齢、そして1メートル67センチという小柄な身体を酷使してきたという意識もあり、不安はなお募ったという。
幸い怪我は順調に回復し、エナンは軽い運動を再開。現在はジムでのトレーニングに励む日々を送っている。そしてこのインタビューでは、12月9日にアントワープで開催されるダイヤモンドゲーム・エキシビションマッチでの対クライシュテルス戦で復帰を果たす意向であることを明らかにした。その後も、来年1月にオーストラリアのパースで行われるホップマンカップ(男女混合の国別対抗戦)でスティーブ・ダルシスと組む予定などが既に決まっているとのこと。
今ではすっかり明るさを取り戻したエナン。コーチであるカルロス・ロドリゲスが中国滞在中、彼の息子二人の面倒を見るのがとても楽しかった、普段はできないことだから(疲れたけど)と語る。しかし、単に復帰するというだけでなく、少しでも上を目指そうという気概にも溢れる彼女。1月末の全豪オープンをはじめとして、これまで優勝経験のないウィンブルドンも含め、グランドスラムでの優勝を再び果たしたいとの意気込みは強い。
「自分はポジティブでオプティミスト。もう怖いものはない」。彼女の力強いプレースタイルが再びコートを駆け抜ける日が来るのが楽しみだ。