司会者が実感するラジオとTVの違い

今日はちょっと短めの話を一つ。フリーペーパー『メトロ』紙の10月18日付に、この9月からRTL(フランス全土で放送されている民間ラジオ局)で平日午後の帯番組に起用されたフラヴィ・フラマンへのインタビューが掲載されているので、こちらを紹介してみよう(Flavie Flament: “A la radio on ne triche pas”. Metro, 2010.10.18, p.21.)。
フラヴィはこれまで10年ほど、一貫してTF1(仏国内トップの民間テレビ局)の多くのプログラムで司会などを務めてきたが、今回ラジオに転じ、午後3時から1時間のインタビュー番組「あらゆる楽しみを我等に」を担当する。かなりの著名人も含めた各界からのゲストを相手にして、気楽な雰囲気で語り合い、日頃のイメージとは違うその人の素顔を明らかにするというのがコンセプト。日本で言えば(テレビだが)「徹子の部屋」のような雰囲気だろうか?
彼女にテレビとラジオの違いについて尋ねると、即座に「ラジオではごまかしがきかない」という答えが返ってきた。日本のラジオパーソナリティでも、「ラジオでは話し手のありのままがリスナーに伝わってしまうので、自然体でやるしかない」といった考えを持っている人は多い。メディア特性に関する感じ方は、どうも洋の東西を問わないようだ。
インタビューによれば、TF1での仕事にだいぶ不満がたまっていたらしく、ラジオへ軸足を移したことに「一切後悔はありません」と言い切るフラヴィ。新番組への強い意気込みが窺える。『あらゆる楽しみを我等に』は、ウェブ上でのオンデマンド放送とポッドキャスト配信を共に行っているので、日本で聴くのも簡単かつ便利だ。