新年の新聞から(3)リゾートに集うセレブたち

すっかり月末になってしまったが、新年の記事最終回はスイスから。1月1日付の『ル・マタン』紙(なんと元旦も発行している)は、ヨーロッパ中のセレブたちがごひいきにするウィンターリゾートの実態とその背景を、有名人の実名を挙げつつ紹介している(La neige suisse attires des stars. Le Matin, 2010.1.1, pp.4-5.)。
記事によれば、セレブが集まるスイス国内のリゾートは、ツェルマット、クラン−モンタナ、グシュタード、ヴェルビエ、サン・モリッツの5か所が代表格。なかでもツェルマットやクラン−モンタナには来訪者が多い。サン・モリッツ(スイス東部、メルケル独首相の冬期休暇地)を除くといずれも国の南西部に集中している。政府観光局や各地の観光案内所の担当者の見立てでは、セレブに好まれるリゾートの特徴として、静かな環境であること、有名だからといって騒がれたりしないこと、伝統と格式があり、ショッピングやナイトライフも充実していることなどが挙げられる。さらに、市街地が車両通行禁止であることなども、パパラッチを避けたいスターの評価ポイントとされる。
特に人気があるツェルマットの場合、フィル・コリンズが長年冬の滞在地にしているという。アバのアンニ−フリッド・リングスタッド(フリーダ)は、冬だけでなく避暑も含めほぼ1年中住んでいるらしい。さらに芸能人同士の口コミで良さが伝わって、新たにこの地を選ぶ人も増えている由。最近では、ロビー・ウイリアムズが新たに別荘を購入した、ブライアン・アダムスもこれに続くなどの噂が聞かれる。
クラン・モンタナ(ベルンの南70キロ、ゴルフ場でも有名)では、5つ星の高級ホテル、その名もグランドテル・ドゥ・ゴルフを中心にして、アラン・ドロンロジャー・ムーアシルヴィ・ヴァルタンなどが姿を現す。一方同じ地域のヴェルビエには、ジェームス・ブラント、さらにヴァージン・グループ会長のリチャード・ブランソンなどが別荘を構え、グシュタードでは引退したヴァレンティノ・ガラヴァーニが冬を過ごしている。
日本では「冬休みはハワイ」が芸能人のお約束。それのスイス版のつもりでこの記事を読んでみたのだが、登場人物がワールドワイドなのはさすが。いつの日か、セレブほどの贅沢はできなくても、スイスの山岳リゾートで冬の何日かを過ごしてみたいものだ。