期間限定遊園地の愉しみ

ヨーロッパ各地では常設でない遊園地をときどき見かけることがある。大きな公園や広場に、ある日メリーゴーランドや小規模のジェットコースターなどのアトラクションがお目見えし、何日かたつと撤去されているというような。サーカスに近いイメージで考えると良いのかもしれないと思う。
日本的な感覚で言うと、空地に一時的に遊園地を作ってみて盛り上がるのかとも感じるのだが、こうしたイベントを楽しみにしている人々も、子どもを中心としてそれなりにいるらしい。4月6日付の『ヴァン・ミニュート』紙は、毎春パリ郊外ヴァンセンヌの森に開設される遊園地の今年の趣向などを紹介している(Trois attractions reines à la Foire du Trône. 20 minutes, 2010.4.6, p.3.)。
このイベント、名前は「玉座の縁日」となっていても、現在の内容は遊園地そのもの。アトラクションも日本の小さめな遊園地でよくあるようなのが多いが、今年は新たに3つの遊具がお目見えしたことが売りになっている。まずは高さ65メートルまで登る「世界最大の移動観覧車」。パリ市内や東郊外の眺めはかなり良いのではないか。次に、巨大な腕にぶら下げられ時速95キロで揺り動かされる(これで理解いただけるか心元ないが)「パワーマックス」。そして、地上60メートルの高さに上げられた椅子がぐるぐる回る「スターフライヤー」。ほかにも、「より高く、より速く、より強く(刺激的に)」をモットー(?)にした遊具群が集められている。
4月2日から5月31日まで(時限遊園地としては期間は長め)の12時から深夜0時まで(土・祝前日は1時まで)開催。深夜営業なのはサマータイムでこの時期遅くまで明るいフランスらしい。お出かけはパリ・リヨン駅などからの直通無料バスが便利。パリっ子気分で賑やかに遊んでみるのが楽しそう。