パリ滞在記その1

午後4時頃到着したシャルル・ド・ゴール空港には、低い霧が立ち込めている。なんとなくがらんとした雰囲気(店がほとんどない)の到着ホールを抜け、エールフランスバスでポルト・マイヨへ。霧の風景を眺めながらパリに着いたことを実感。もっとも、市街地に近付くにつれて周囲の白さは次第に薄くなり、視界は少しずつ広がっていく。
ポルト・マイヨの大会議場の前でバスを降り、タクシーに乗り換えて、今日投宿するパリ北駅前のメルキュール・テルミニュス・ノールに向かう。5時半過ぎにチェックイン。629号室は日本式の7階、内庭に面していて眺望は屋根と空しかないが、そんなものだろう。伝統的建築物に度重なる改修を施したこの駅前ホテルは、やはりそれなりの威厳を保っている。近頃めっきり増えた夏の酷暑を反映してエアコンが新たに取りつけられたほか、テレビも壁への嵌め込み式になった。照明が増えて部屋が明るくなったのも嬉しい。
さっそく街へと繰り出す。元は取れないと思いつつも乗り放題で便利な5日間市内乗車券「パリ・ヴィジット」を購入し、地下鉄4号線でオデオンに出る。降りてすぐのFNACでまずプレイガイドをチェックするが、滞在期間中に開催されるめぼしいイベントは見当たらず残念。3フロアの店舗を一通り巡ってみるも、電子機器や関連ソフトが圧倒的にスペースを占拠しており、一見ヨドバシカメラが書籍も多少扱っているといったような感じか。午後8時まで営業。
サン・ミシェル広場へと歩いて行くと、同地に8店舗を構える大型学術書店「ジベール・ジュンヌ」は7時半でちょうど店仕舞いの最中。とりあえず夕食処を探す。客引きに力がこもっている店は避け、繁盛しているビストロに席を確保。エスカルゴ、ブッフ・ブルギニョン、クレーム・ブリュレの3品で、最初の飯にありつく。隣りの席に掛けたフランス人のカップル、3日遅れのクリスマス・プレゼント交換をあれこれと楽しそうにやっている。9時半頃、地下鉄でホテルに戻る。