2012-01-01から1年間の記事一覧
産業構造の変化等に対応しつつ、バランスの取れた国土の発展を期するため、地域整備計画の策定や各種プロジェクトの立ち上げがなされることはどの国でも多い。しかし、経済発展の方向性を誘導しようというかなり無理のある内容のせいで、それらのプロジェク…
世の中オリンピックでいずこも湧き返っている感があるが、オリンピックの直後にスポーツを始める人が一時的に増加するという話をどこかで聞いたことがある。そういう意味では祭典も馬鹿にはできないわけで、ムードに乗せられ運動に関心を向けるという流れが…
いろいろ言っても、やはり夏はワインが飲みづらい。日本ではワインクーラーを使わなければ、赤ワインにとっての適温は上手に確保できないのではないか。その点ヨーロッパなら、地下室にでも入れておけば比較的容易に適温が保てるという利点はあるが、それで…
食通の街、グルメ・グルマンの街として、例えば東京などはパリに決してひけをとらないと感じる(特に料理のジャンルの多様性が売り)が、今回見つけた話題はいかにもパリらしく、しかもこの大都市が食に対して常に注いでいる情熱を改めて見せつけられた思い…
17世紀以来、バロック様式の豪華な宮殿と、広大で均整のとれた800ヘクタールもの庭園で、他の追随を許さない存在であり続けているヴェルサイユ。そして意外というか当然というべきか、その維持管理に必要とされる膨大な費用の相当部分は、篤志家や大企業によ…
世界遺産への登録は、その対象を有する地域に誇りの意識を持たせるばかりでなく、最近では観光面での効果も明らかになっている(観光客の増加が遺産の劣化をもたらすという皮肉な現象もあるが)だけに、どの国や地域でも推薦活動には力が入っている。そんな…
パリ19区のラ・ヴィレットと言えば、広大な公園の中に科学産業博物館、音楽博物館、オムニマックスのドームシアター(ジェオード)、ポピュラー音楽向けのコンサート施設(ゼニット)などを備えた、市内を代表する再開発地域の一つ。既に大方の知名度も高く…
低価格品から高級品まで、多彩な時計のブランドを手中に収め、同業界の企業グループの世界売上げランキングでトップの座を確保しているスイスのスウォッチ・グループについては、すでに5月12日の当ブログでも若干取り上げた。このグループが世界の時計産業に…
自分の家を持ちたいと思った時に、建築士に依頼するという人は日本でもさほど多くないのではないかと思う。プロフェッショナルな知識と技術を活かしてもらえる分、経費も高くついてしまうのではという心配がつきまといがちだ。こうした懸念はフランスの場合…
愛飲家と名乗るほどではないにしても、時にはワインを味わい、その美味しさに感動することもある身としては、そこそこの値段で適度に楽しめるワインと付き合っていければ充分というのが正直な気持ちではある。ただ世の中にはそれだけで満足できない人たちが…
レミー・マルタンと言えば、おそらくヘネシーを超えて、コニャック(フランスのコニャック地方で作られるブランデー)の代表格と言える銘柄。一方コアントローはオレンジの香りのするリキュール(ホワイトキュラソーの一種)だが、こちらの知名度は若干低い…
ヨーロッパの多くの国で日本との違いを感じる点の一つは、公共放送であるはずのテレビのチャンネルでもコマーシャルが流れること。このことの適否や是非についてたまに議論が再燃することもあるが(最近のフランスなど)、基本的には民間放送と公共放送とを…
コールセンターの外国流出(オフショアリング)に起因するフランスの雇用減少問題については、1年半ほど前に当ブログでも取り上げた(2010年11月20日付)が、やはりそれ以後も問題は解決しないどころか、より深刻化しているようだ。歴代の担当大臣もこの事態…
現代美術というのは当方正直なところよく分からなくて、ポンピドゥー・センターに行っても観覧時間がルーヴルやオルセーにはるか及ばないというところがある。それでも現代に胎動する芸術として貴重かつ重要であるのは確かだし、結果としてそれに高い値がつ…
パリをはじめとするフランスの大都市の不動産価格は、このところ何年も高騰傾向を続けており、結果として例えばパリ市内で普通の人々が持ち家(自己所有のアパルトマン)を手に入れることは、もはや高嶺の花といった状態にあると言われる。それでは直近の情…
クレジットカードの利用に関し、日本のタクシーは(個人タクシーも含め)最近だいぶ整備されてきた印象があったため、はるかにカード使用普及度が高いはずの(と思っていた)ブリュッセルで、これまでタクシーでの支払いにほとんどカードが使えず、現金払い…
インスタントからドリップ式、そしてまた自家焙煎豆専門店の隆盛と、日本人が家庭で飲むコーヒーも、この数十年の間に変化し、多様化してきた。もちろん「朝はカフェオレとクロワッサンから」がある種の伝統として定着していて、実際1人1日平均2.2杯のコーヒ…
夏場にクールビズが推奨され、「どぶねずみ色」と揶揄されてきた日本紳士のビジネス服の世界も変革を迫られる状況になってきた。一方、ファッション先進地域として男性のお洒落度も高いとみられるヨーロッパ、とりわけフランス。なんと今年はパステルカラー…
自然派食品をめぐるフランスの動きについては、当ブログでこれまでに何回か話題を扱ってきているので、今日は簡単な紹介のみに留めておこう。6月6日付のフリーペーパー『メトロ』紙は、引き続き増勢にあるとみられている自然派食品について、具体的な数字を…
毎年5月末から6月にかけて、経済界を中心にちょっとした話題になるのが「世界競争力ランキング」。ローザンヌにあるビジネススクール、国際経営開発研究所(IMD)が発表するこのデータ、日本は今年27位(前年比2ランクアップ)だったそうだが、今回注目され…
消費者向けサービスを提供するどの業界でも、ニーズを敏感に捉えそれを先んずるか、せめて出遅れないようにしなければ、大企業であっても業容の停滞は必至。日本の旅行業界を例に取れば、HISなどが順調にシェアを伸ばしている(とみられる)一方、そのあおり…
日本では2009年に公文書管理法が成立して以来(2011年施行)、公文書の保存と利用に関する意識が多少高まっている様子も窺えるが、すでに聞こえて来ているのが年々増え続ける文書を収蔵するスペース確保の問題。この点は公文書先進国?であるフランスも同様…
当欄ではつい先日、ブリュッセル・ジャズ・オーケストラやベルギー国立管弦楽団の話題を取り上げたばかりだが(それぞれ5月2日付、5月9日付ブログ)、ベルギーの各種音楽文化が充実している背景には、当然幼少期からの教育がしっかりしているということがあ…
パリ市内も、セーヌ河沿いを歩いてオステルリッツ駅を過ぎると、もう出外れた雰囲気を醸し出していた時期が長かったはずだが、それも過去のこととなりつつあるのか。フランス国立図書館(BNF)の南側に大学が進出し、この地帯を拠点とする学生の数は確実に増…
市民に密着し、主に患者の初期治療にあたる「一般医」、そのベルギーでの動向については、以前にもこのブログで紹介した。その際は、彼らがあまりの忙しさなどによりバーンアウトに陥る現象が多いことを取り上げた(2011年11月16日付)が、今日の話題もその…
保守派から左派への政権交代によって、あらゆる分野でさまざまな変動が予想されているフランス。その中には、意外というか当然というか、放送界そしてニュースの世界も含まれている。新大統領選出より以前から実は予測されていたという変動とはいかなるもの…
カルヴァンゆかりの地ジュネーブを擁するスイスはプロテスタントの国となんとなく思い込んでいたけれど、国勢調査によればカトリックとプロテスタント(改革派)の比率はほぼ半々で、むしろカトリックの方が多いらしい。それでも改革派教会がスイス社会で占…
フランス、そしてベルギーは長い距離にわたる海岸部を抱えていることもあり、当ブログでは海や沿岸地域の環境問題について何回か取り上げてきた。特に昨夏、ブルターニュの海でアオサが大量発生したという報道(2011年7月27日付当ブログ)は、この地域での海…
近年は猛暑の報道をしばしば見かけるフランス。パリではこれまで意外に少なかった「冷房完備」のホテルやレストランがようやく増えてきたが、暑過ぎる夏が度重なるようになってきたのがその主な要因だろう。ニースなど、これまでは年間を通じて安定した気候…
在外公館(大使館、総領事館)の設置・配置は、各国にとって今や悩ましい課題。原則論で言えば、外交関係が密な国(あるいは将来的に密な外交関係を築く必要がある国)には大使館を、また在外市民が多く住む都市には総領事館をもれなく設置していけば、外交…