スイス

FIFA、UEFAに課税すべきかで論議勃発

国際サッカー連盟(FIFA)、そして欧州サッカー連盟(UEFA)と言えば、ワールドカップや欧州選手権といった、世界で最も盛り上がるといってもよいスポーツイベントを主催し、もって世界のサッカースポーツ振興に貢献している。ただ一方で、巨大興行主として…

自国産ワインを在外公館で積極提供へ

ワインの主要生産国としてスイスを挙げる向きは、それほど多くはないかもしれない。しかし、気候温暖化も手伝ってか、近年この国で赤・白とも優れたワインが生産され、流通していることは事実。そうなると次には、国際的にスイスワインをどのように認知して…

ユーロ下がれば中古車売れず?

スイスの通貨高についてはこのブログで以前にも取り上げたとおり。その後、スイス国立銀行が対ユーロのレートに上限目標値を設定すると発表し、急激なスイスフラン高は一段落したような様相もあるけれど、なにせユーロを巡る情勢が不透明過ぎるだけに、安定…

「ミス・スイス農民」、1年間の活躍

ふるさと振興、観光宣伝のためのヒロインとして「ミス○○」的なものが日本の各地で選ばれ、活動している。地域の特産品を持ち、全国をPRして回ったりしている彼女たちへの地元の期待には大きなものがあるのだろう。今回はこれと似たような話題。8月11日付のス…

格安航空会社サイトでの不透明な運賃表示

ヨーロッパの代表的な格安航空会社イージージェットが、スイス関係便等で大規模な運航混乱を招き、社会的に批判された件は当ブログでも紹介している(2010年10月2日付)が、またもや同社が槍玉に上がっている記事を発見。8月11日付の『ル・マタン』紙は、こ…

「1スイスフラン=1ユーロ」は到来するか

通貨市場におけるスイスフランの一人勝ちと言える状況が顕在化している。周知の通り、ギリシャをはじめとするユーロ域内各国の財政事情悪化と困難を極める救済策、深刻さを増す米国の債務問題、日本で継続する経済不振と震災による打撃といったように、主要…

『ブランド王国スイスの秘密』

磯山友幸『ブランド王国スイスの秘密』(日経BP社、2006)読了。著者の磯山氏は日本経済新聞記者で、本書は2002年から2年間、チューリッヒ支局に勤務した際の取材等に基づいて執筆されている。一読、問題意識が非常に明確であり、それに基づいてスイスという…

小学校の授業時間増を巡り州民投票実施へ

学校の時間割というのは、国によって意外に差異のあるもの。日本ではウィークデイにもれなく授業があり、その分(特に低学年は)終業時刻が早い傾向にあるのと比べ、ヨーロッパは(国別の差異はあるが)平日でも休みの日があったり、その埋め合わせで1日の時…

米企業進出は全体的にはプラス効果

スイスの産業政策というか、安定的な富裕国であり続けるための産業戦略については、いずれまとめて書いてみたいとも思ってはいるのだが、とりあえず今日も断片的な分析を。アメリカに本拠を持つ多国籍企業が相当数スイスに進出している中で、その現状につい…

人気漫画家、25年ぶり舞台主演

フランス語圏版の漫画「バンド・デシネ」を数多く生み出している国(「タンタン」がその代表格)として知られるベルギー。そのベルギーの著名マンガ家の一人フィリップ・ゲリュック氏は、ミシェル・ドリュッケール氏やローラン・ルキエ氏が司会を務めるテレ…

フェデラー、全仏決勝戦を終えて

月日が過ぎるのは早く(というか、当方がアクチュアリテを消化してブログにするのが遅いだけ)、テニスの世界はもはやウィンブルドンの喧噪一色に包まれている。しかしここはフランス関連ブログなので、少し前の全仏オープンから話題を拾ってみたい。どんな…

水力発電は未来を拓くか

日本でも報道されているように、スイスでは2034年までに原子力発電所の稼働を全面的に停止するという政府決定が下された。しかしこの決定は、現在発電量の40%を原子力に依存している同国にとっては、相当高いハードル。こうした中で俄然注目を集めているのが…

バーゼル動物園、霊長類館の改築進む

旭山動物園の成功以来、観光スポットとして、また様々な動物との出会いの場として再び注目を浴びるようになった感がある動物園。諸外国でも、いろいろ創意を発揮しつつ動物園をさらに活性化するための努力が続けられている。そんな取組みの一つとでもいうの…

赤ちゃんの肥満傾向に要注意

肥満がどの世代にとっても健康上悪影響を及ぼしかねない問題だというのは、まず自明なことなのだろうが、成人や子ども一般はともかく、乳幼児の肥満というところまではこれまであまり考えたことがなかった。3月15日付『トリビューン・ドゥ・ジュネーブ』紙の…

警察官ストライキと市民の反応

他のヨーロッパ諸国に比べて、スイスはストライキが少ない国だと言われる。まして公務員が争議を構えるなどとは余程のことのはずだが、先月ジュネーブは、警察官のストライキという非常に珍しい事態に見舞われた。2月18日付『ル・マタン』紙の記事からまずは…

OECD学力調査への各国の反応(2)

OECDの学力到達度調査(PISA)はどのように受け止められているか、フランスに続いて今日はスイス篇。12月8日付の大衆紙『ル・マタン』の報道によれば、この国では成績水準それ自体が問題になるというより、もっと政治的な駆け引きの材料として調査結果が使わ…

地下鉄構内大規模すり集団の首謀者摘発か

フランス、特にパリ旅行に出かけるからには、やはり日本でのようには気楽な気持ちで動き回るわけにいかない。日本人観光客を狙ったすり、ひったくりの被害は日常茶飯事(『地球の歩き方』パリ篇には必ずこの種の口コミ情報が掲載されている)なので、まずは…

存在意義を問われる対外広報組織

「パブリック・ディプロマシー」という用語が(専門語ではあっても)ある種流行りになっていることからもわかるように、世界各国がそれぞれの対外イメージを改善、向上させるための広報戦略に意を用いる傾向は確実に強まっている。スイスでも専門組織「プレ…

社会党出身閣僚が迎えた試練の党大会

スイスにおける連邦レベルの行政府の長は、連邦議会で選出される7名の参事が務めることになっており、与党である各政党から議席配分に合わせた人数の参事を出すことが慣例となっている。この9月22日、辞任する2名に代わる新たな参事が選ばれ、社会党(註:ス…

格安キャリア、運行混乱に言い訳

最近になって日本でもいよいよ本格参入の動きが出ている格安航空会社。ヨーロッパでは1990年代に実施されたEUの航空自由化を背景として多くの企業が運航を開始し、現在では既存キャリアと熾烈な競争を展開するなど、大企業にのし上がりつつある会社も見られ…

25周年、一層の発展を期す写真美術館

写真専門の美術館というと、とりあえず恵比寿の東京都写真美術館(1990年プレオープン)が思い浮かぶが、媒体の美術性が認められたのが最近であるためだろう、施設の歴史は全体に浅いようだ。ローザンヌにあるエリゼ写真美術館も1985年オープンなので、いわ…

財政面でローザンヌと州内自治体の対立激化

隣りの芝生は青いというけれど、市や町のレベルでもついつい近隣と比較する気持ちが芽生えるもの。そんな気持ちの発露か、ローザンヌ市を州都とするスイスのヴォー州では、そのローザンヌとその他の市町村の間で、財政面の激しい対立が起こっているという。6…

岐路に立つ国際情報発信

文化交流の媒体、ひいては一種の外交ツールであり、国外に居住する自国民に対する情報伝達手段でもある国際放送。かつては短波ラジオ放送が中心だったが、最近はインターネットを通じた画像、音声、動画の提供がメインになりつつあるようだ。ただ、グローバ…

失業率統計から見えてくる地理的特色

貧困が個別世帯の問題であるだけでなく、いわゆる貧困地域と呼ばれる場所が存在するように、諸々の社会的差異(多くの場合不平等)は地理的に表現されることが多い。その有様を明らかにし、背景や対策などを検討することは社会地理学の大きな課題ともなって…

混迷深める乳業の動向

スイスの酪農、牛乳生産業は、国のシンボルとも言える存在。伊藤一氏(地理学者)はその著書で「ミルクはスイスの基礎食糧である。日本でいえば、米にあたる」とまで言っている(『スイス的生活術』出窓社、1998、30ページ)。その牛乳生産が、農政改革の一…

新年の新聞から(3)リゾートに集うセレブたち

すっかり月末になってしまったが、新年の記事最終回はスイスから。1月1日付の『ル・マタン』紙(なんと元旦も発行している)は、ヨーロッパ中のセレブたちがごひいきにするウィンターリゾートの実態とその背景を、有名人の実名を挙げつつ紹介している(La …

冬はここでも鍋料理が人気

チーズフォンデュと言えばスイスの名物料理としてよく知られているけれど、同じフォンデュでも中国風というのは聞いたことがなかった。どうやら「火鍋」と言われているもののスイス版らしく、日本のガイドブックでも以下のように書かれているから、ご存知の…

保健庁長官、19年目の勇退

民間企業や各種法人ならいざ知らず、日本で高級官僚の1ポスト当たりの任期と言えば、せいぜい数年が上限だろう。所変わればなんとやら、スイスでは同一ポストに19年も勤めた連邦保健庁長官、トーマス・ツェルトナー氏が、この年末をもっていよいよその職を離…

オーケストラの給料事情

「クリスティアン・ツァハリアス指揮、ローザンヌ室内管弦楽団」と言えば、ジュネーブに本拠を置くスイス・ロマンド管弦楽団とともに、フランス語圏スイスの二大オーケストラ。2000年にツァハリアス氏が芸術監督に就任して以降、広く実力が評価されるように…

「説明する、釈明はしない」

スイスの国民投票におけるミナレット(イスラム寺院の尖塔)新設禁止措置案の可決については、日本の新聞でもそれなりに取り上げられているし、極めて根が深く、今後の影響も大きいと思われるテーマをここで掘り下げる余裕もない。ただ、12月5日付『トリビュ…